生き別れて37年 北朝鮮にいる息子よわが胸に帰れ
寺越 友枝

定価: ¥ 1,575
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発売日: 2000-12
発売元: 徳間書店
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北朝鮮利権に群がる政治家達の素顔を語った本??テロ国家に媚びる外務省と政治家たち
「ウソと暴力は、双子の兄弟だ。二人は、いつも一緒にやって来る。」と言った作家が居る。ロシアの作家、ソルジェニーツィンである。この本を読んで、私は、ソルジェニーツィンのこの言葉を思ひ出した。ソルジェニーツィンのこの言葉通り、北朝鮮の暴力(拉致)は、彼ら(北朝鮮)のウソと表裏一体の物なのである。
この本は、昭和38年(1963年)、中学1年生の春に、漁船で海に出たまま行方不明に成り、24年後の昭和62年(1987年)、北朝鮮で生存して居る事が確認された拉致被害者、寺越武志(てらこしたけし)さんの母親、寺越友枝(てらこしともえ)さんが、息子が行方不明に成った日から、近年(平成12年=2000年)までの状況を語った貴重な回想である。既に広く知られた事だが、今日、寺越武志さんが、昭和38年のその日、海上で、北朝鮮によって拉致された事は、明白である。それにも関わらず、北朝鮮は、武志さんが、自分の意思で北朝鮮に移住し、暮らして来たかの様なウソをつき続けて居るのである。武志さんの母親(本書著者)は、その北朝鮮の暴力(拉致)とウソによって、武志さん本人と共に、そして、多くの拉致被害者とその家族同様、人生を滅茶苦茶にされた被害者の一人である。
読んで居て、北朝鮮に対してはもちろんであるが、武志さんが北朝鮮で生存して居る事が判ってからの、日本の警察、外務省、そして政治家達が、友枝さんに対してとって来た冷淡な行動、及び越の態度に、怒りを覚えずには居られなかった。一体、日本の警察、外務省、そして、政治家達は、何処の国の為に働いて居るのだろうか???「国交樹立」と言ふ名の北朝鮮利権漁りを私は糾弾する。北朝鮮からの金(かね)のキックバックや、北朝鮮での土木事業、発電所建設、ダム修復、北朝鮮の砂利、漁業利権、などを目当てにした「国交樹立」である事は、最早、誰の目にも明らかである。テロ国家との国交樹立など無用である。(それに、オウムと北朝鮮は、関係が無いのか?)
こうした怒りを覚える一方で、私は、この本を読んで、日本社会党(当時)や、足利銀行が、日本国内で、北朝鮮の為にどの様な活動を行なって来たかを、極めて具体的に知る事が出来た。(日本から、北朝鮮への送金が、どの様な形で行なはれて居るか、等についての興味深い描写が有る)又、拉致問題が発覚し始めた当初の政治家の行動、マスコミの動きなども極めて具体的に描写されて居る。従って、この本は、拉致問題のみならず、日本国内の北朝鮮利権を巡る人間関係を知る上で、本書は、ジャーナリスト等に極めて貴重な情報を提供する本と言える。本書は、各国語に翻訳されるべき物である。そして、本書が、世界中で、一人でも多くの読者に読まれる事を望む。
(西岡昌紀・内科医/平成17年11月10日(木))
